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甲状腺疾患とヨード制限について

甲状腺疾患の患者さまに僕自身がヨード制限を指示することはほとんどありません。でもなぜか、自主的にヨード制限をされている方が結構おられて、多分どこかでそういう話を耳にして、いつの間にか習慣になっているのだと思うのですが、中には、僕に言われたときっぱり言い切る方もおられまして、おそらく他の先生と間違えているのではないかと思うのですが、なかなか修正できずに困っており、この場を借りてご説明させて頂きたいと思います。

ヨードとヨウ素は同じことです。甲状腺ホルモンの原料として欠かせないものです。海藻に多く含まれるため日本はヨードの摂取量が多い国です。日本のようなヨード充足地と大陸内部のようなヨード欠乏地では体質が違い、考え方も違います。結論から言えば、ヨード充足地に住む我々は過剰摂取にだけ気をつけていればよいと言えます。通常範囲のヨード摂取は甲状腺疾患の方でも問題ありません。ひじきチャーハンも分別しないでそのまま食べていただいて結構です。毎日でなければ。

過剰摂取が問題になるのはどちらかといえば橋本病で甲状腺機能低下気味で、甲状腺がひどく腫れている方です。このような方でヨードを過剰に摂取すると、甲状腺機能低下が進んだり、腫れがひどくなったりする恐れがあります。そういう方は、私の方からヨード制限を指示しております。

で、どこからが過剰摂取になるかというと、一言で言うのは難しいのですが、ヨード充足地に住んでいる我々なら、和洋折衷の日常の食事はまず大丈夫で、それに加えて、特定の海藻類を日常的に摂取しなければ(例:みやこ昆布を毎日何枚か食べる、めかぶダイエットをするなど)過剰摂取にはなりません。なお、昆布はわかめや海苔など他の海藻に比べると10倍以上のヨードを含んでいます。昆布以外はそれほどケアしなくていいのですが、瓶入りの味付けのりをむしゃむしゃと一気に開けてしまうようなことはやめましょう。

それと検査や治療前のヨード制限は、限られた期間だけ厳格に行うものであり、ここでいうヨード制限とは意味が違います。こういう話が一人歩きするのかもしれませんね。

林田 博人

皆さまの 安心と信頼につながる医療を提供していきたい。

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